カビが発生した服はクリーニング業者で対応できるのか

礼服やスーツ、コートなど使用頻度が少ないものや季節ものは、長期間使用せずに保管することも多いと思います。
しかしその保管方法を間違え、カビが生えてしまった…なんて経験をした方もいるのではないでしょうか。
服にカビが生えてしまうのは非常に厄介です。だからこそクローゼットに除湿剤を置いたり、風通しを良くしたりして、カビを生えさせない努力が必要です。

それでも、もしカビが生えてしまったとしたら…。
自分で洗濯することができないのであれば、クリーニング業者に頼むことになると思います。
しかし、クリーニング業者にカビが生えた服をそのまま出していいのでしょうか?
実はカビの種類によっても大きく異なってきますので、その違いから説明していきます。

カビの種類

服に生えるカビは大きく分けて白カビと黒カビです。この二つにはそれぞれ特徴があります。

白カビ(青カビ)

白カビは白い菌糸を這わせながら増殖していきます。濃い色の服だと非常に目立ちやすく、白い綿のようなものが付着しているように見えるはずです。
そして白カビだと思っていたものが、実は青カビだったというケースもあります。カビの胞子が光の反射で白っぽく見えることが理由でしょう。
青カビは湿度が低くても発生するため、除湿剤を置くだけでは防げないことがあります。
白カビ・青カビは、根が浅く、飛散しやすくて成長が早いことが特徴です。

黒カビ

黒カビは、黒い点のようなものがポツポツと付着します。青カビと違い、湿度が高いところでしか発生しません。
繊維の深いところまで根を張っていることが多く、非常に落としにくくて厄介なのが黒カビです。
また、根が深いせいで生地に与えるダメージが大きい為、発生したらすぐ対応する必要があります。

カビはクリーニングで落とせるの?

白カビ・青カビはほぼ対応してもらえる

白カビ・青カビは根が浅くて、比較的落としやすいカビなので、ほとんどのクリーニング業者で対応してもらえるでしょう。カビが付いた服だけをビニール袋等に入れて、移動中のカビの飛散には十分気を付けて持っていくようにしてください。
ただし、カビを落としやすいと言っても中途半端なクリーニングではすぐに再発する恐れがあります。
カビが再発して、それに気づかずにクローゼットで放置してしまった場合。成長が早くて飛散しやすいため、気付いた時にはクローゼット中がカビだらけになっていたということも…。また最悪の場合、そこからカビが繁殖していき、家中にカビが発生したというケースもあります。
そんな事態にならない為にも、そのクリーニング業者がどのような技術でカビを除去しているのか事前に確認した方が安心です。
またカビを完全に死滅させたいのであれば、後ほど紹介する“カビ専門のクリーニング業者”に依頼するのも良いでしょう。

黒カビは断られることも多い

そして問題なのが黒カビです。
繊維の深いところまで根を張り、すでにカビによって生地を傷めている状態です。
ちなみに先ほど青カビは落としやすいと説明しましたが、カビが死滅して服に着色してしまうと、黒カビと同じくらい落としにくくなっていることがあります。
黒カビとそのような状態になってしまった青カビは、通常のクリーニングでは落ちないので漂白が必要です。しかし普通に漂白すると色物の服は一緒に色落ちしてしまいます。
そこでクリーニング業者は「特殊染み抜き」というものを行います。

特殊染み抜き

クリーニングではカビ取りではなく染み抜きという扱いになります。
業者はカビに合わせて漂白剤などの薬品を調合し、繊維や柄を出来るだけ傷つけないように染み抜きをします。染色が弱いものや色が抜けたものに関しては染色補正という技術で直してくれるところもあります。
家庭では手に入らない薬品を使い、熟練した技術を持ったプロだからこそ出来る技です。

 
しかし黒カビ場合、この技術を使っても完全に落とせないことがあります。その為、最初から「黒カビは受け付けていません」とお断りしているクリーニング業者も多いです。
また黒カビの衣類を受け付けているクリーニング業者でも、範囲が広かったり、カビが発生してから時間が経過したりしていると、カビを落としきれないことがあります。
黒カビの生えた服をクリーニングに出す際は、それだけ難しいことなのだと理解しておいた方がいいでしょう。

宅配クリーニング

とても大事な服だからなんとしても黒カビを落としてほしい。
そうなった時は、黒カビでも対応してくれるクリーニング業者を探すことになります。
しかし、「近所のクリーニング屋さんでは対応してくれなかった」「一度出したけど、カビは取れずに戻ってきた」ということもあるでしょう。
そういう時に頼りになるのが宅配クリーニング。
クリーニングに出したい服を箱に入れて、全国どこからでも送ることができます。日本中のクリーニング店の中から技術力の高い業者を選んで頼むことができるので、根深い黒カビでも落ちる可能性があります。

カビ専門クリーニング業者

最近では“カビ専門クリーニング業者”というものが存在します。
こちらは通常よりも高額ですが、一般的なクリーニング業者ではお手上げのカビだらけの衣類もクリーニングしてくれます。
衣類用に改良した医療用のガス滅菌装置で完全にカビを除去してから、熟練した職人の腕によってクリーニングするというサービスです。

最初にカビをガス滅菌した後、クリーニングして、特許技術を使った方法で防カビコーティングまでしてくれます。最後にクリーニング中に付着した可能性のある菌を死滅させるために再度ガス滅菌をして仕上げるという徹底ぶりです。
こちらのサービスは、通常のクリーニングよりも圧倒的に料金が高く、最高級クリーニングの部類に入ります。想い出の品や高級な着物や衣類など、高いお金を払ってでもカビ取りしたいものを依頼するのが良いと思います。
もし金銭的に厳しいという場合は、ガス滅菌だけ行ってもらう方法もあるようです。
ガス滅菌のみやった後、クリーニング業者に持っていけば全てお任せするよりも安く仕上がります。
今回の調査で確認できたのは1社のみでしたが、これからこのようなクリーニング業者は増えていくかもしれません。

まとめ

衣類にカビが生えてしまった場合、それを除去することがいかに難しいことなのか分かったと思います。
まず一番大切なのが、衣類にカビを生やさないことです。
それでももしカビが生えてしまったら、カビでも対応してくれるクリーニング業者を探して綺麗にしてもらいましょう。
大切な服を一日でも長持ちさせるために、良いクリーニング業者を見つけてください。

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